BUSINESS DOMAIN廃棄物管理業の事業領域

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廃棄物管理会社の効果的活用法

処分方法(処理フロー)改善のご提案

ある食品工場様との取引がある地方の収集運搬業者から、食品工場の担当者が別工場の廃棄物処理の事で困っておられるので相談に乗ってあげてください。とのご紹介をいただきました。
まずは、食品会社の本社工場担当者に電話をさせて頂き、ヒアリングを実施。そのお話の中でいくつかの問題が発覚いたしました。

1.マニフェストが発行されていない
問題理由
工場からの廃棄物は生産過程からの廃棄物となり産業廃棄物
補足
しかしマニフェストが発行されていないので、どのような処理をされているか把握できていない。
ご存知の通り産業廃棄物です。産業廃棄物の対象となる廃棄物がマニフェストもなく処分せれているとの事実が今から2年前にありました。
2.各契約書がない
問題理由
コンプライアンス
補足
マニフェストが発行されていないので、契約書の確認を急ぎましたが契約書が無い事も発覚してしまいました。
3.本社工場と比べて廃棄物コストが安すぎる
問題理由
不適正処理?
補足
過去1年間の廃棄物に関わる請求書を確認させて頂き、生産量がほぼ同等の本社工場と比べて廃棄物コストが相場を比較して、安いことが判明しました。
4.取引業者の与信調査がされていない
問題理由
コンプライアンス
企業イメージ
補足
収集運搬業者からの請求書を過去3年間、調査したところ業者名が途中から変更していました。業者そのものを変更した可能性を現地工場の担当者様に確認したところ社名変更だろうとの事でした。
確認の為に、管理会社で調査をした結果、数年前に契約会社は廃棄物の法律である廃掃法の違反により(欠格要件)業許可が取消になった会社の実質オーナーが新たに興した会社という事が判明いたしました。
5.排出量(収集量)を把握していない
問題理由
コストの妥当性(適正or不適正)
補足
請求書の確認作業中に気づいた点がありました。請求金額について毎月の請求額が定額であり収集量及び処分量の記載が全くありませんでした。
これでは、適正なのか不適正なのかの判断が困難な状態でした。
6.収集条件(収集曜日・収集時間)が分からない
問題理由
契約条件が不明確
コストの妥当性(適正or不適正)
補足
現地工場の担当者に収集条件を確認したところ、廃棄物保管に保管しておけば知らない間に廃棄物が無くなっていると…まったく排出事業者として責任を果たしていない状態でした。

このような状態で行政の廃棄物対策課などの視察が行われた場合、排出事業者責任を問われ何らかのペナルティが発生してしまうかもわからない状態でありました。
最悪の場合、現取引業者が不法投棄などをしていた場合は刑事事件にまで発展しかねないと感じ早急に問題点と改善策の報告を本社工場の担当者に報告させて頂きました。
しかし、本社工場から問題の工場は遠方であり、業者手配・新たな処理業者との交渉(処分対応業者を知らない)が非常に困難であり、収集運搬費及び処分費の地域相場が不明など早急な改善は困難と判断し、廃棄物管理会社との取引を希望しました。
その時、管理会社がご提案させて頂いた内容をお話させて頂きます。

ご提案の内容

1.まずは、問題点の原因を調査した結果

①マニフェストが発行されていない
→発行できない
既存業者の処分方法がすべての廃棄物を一廃廃棄物として処理していた為。
②各契約書がない
→締結する理由がわからない。
契約書の重要性の認識不足
③本社工場と比べて廃棄物コストが安すぎる
→違法処理
既存業者の処分方法がすべての廃棄物を一廃廃棄物として処理していたことが判明
④取引業者の与信調査がされていない
→与信調査の必要性を考えていなかった。
情報を収集する手段が無かった為。
⑤排出量(収集量)を把握していない
→排出量の必要性を考えていなかった
支払額も毎月定額であった為に排出量に興味が無かった為。
⑥収集条件(収集曜日・収集時間)が分からない
→知らない間になくなっていた
契約書も存在しない為、確認ができなった為。

問題点1から5を解決する為に、すべての廃棄物について業者選考から見直す必要がありました。

2.廃棄物の品目分け
一般廃棄物
事務所内からの廃棄物
産業廃棄物
工場内からの廃棄物
①動植物性残渣物 ②廃プラ(包装用軟質プラ)③混合廃棄物(機械類など)
補足
まずは、廃棄物の品目を分けることで契約先の選定基準を設けました。
一般廃棄物は一般廃棄物収集運搬許可業者へ
産業廃棄物は産業廃棄物収集運搬及び処分許可業者へ
有価物は買取業者へ
3.排出量の算出

各品目の排出量を算出する為、仕入れ量及び別工場の排出量の情報と現地工場の担当者とのヒアリングにより、本案件の工場からのおおよその排出量を算出しました。

補足
産業廃棄物は、別工場様の数年物のマニフェストを確認し排出量を算出しました。
その他、参考までに仕入れ量などの情報の提供もいただきました。
一般廃棄物は、事務所内従業員からのヒアリングで排出量を算出しました。
4.処理フローの作成
①一般廃棄物
工場事務所から排出される廃棄物を事業系一般廃棄物とし、一般廃棄物許可業者へ依頼予定
補足
許可業者一覧から複数の許可業者に本案件を打診し収集頻度・収集時間帯・収集金額が最も手記だと思われる許可業者
②産業廃棄物
工場内から排出される廃棄物を産業廃棄物とし、産業廃棄物許可業者へ依頼予定
補足
動植物性残渣物・廃プラなどの産業廃棄物の排出量・荷姿・保管状態などを確認し業者選考を行いました。

また、業者選考時に産業廃棄物(①動植物性残渣物)については本社工場の担当者は、食品リサイクル法順守及び企業イメージの向上の観点からリサイクル処理を希望しました。当然ながらコストも安く…。
そこで、新たな問題点が発生しました。

問題点として

1.まずは、問題点の原因を調査した結果

①近くの堆肥化処理施設は非常にコストが高い
②収集頻度を頻繁にしようとすると収集運搬費も高くなってしまう。
③産業廃棄物の大半が動植物性残渣であるが、保管庫が屋外であり不適正

補足
近くの堆肥化処理施設については、近隣に同様の処理施設が無い為に処理量が少量となる為に、どうしても処理費が高くなっていました。
収集回数を増やすと収集運搬費が高くなります。
廃棄物保管庫が温度調整機能もなく、夏場は腐敗臭がすることもありました。
しかし、長年の廃棄物管理会社の情報収集及び様々な排出事業者との取引がありましたので、問題はすぐに解決する事が出来ました。
問題点①(近くの堆肥化処理施設は非常にコストが高い)の解決策として

遠方ではあるが、以前に他の案件にて取引をさせて頂いた処理施設に本案件を打診しました。
その結果、受け入れは可能との返答をいただきました。

  1. ①近くの堆肥化処理施設コスト高→遠くの飼料化施設

問題点①をクリアする事が出来ました。

補足
実際に排出された廃棄物のサンプルを飼料化処分場に持参し、処理可能物かの確認を行いました。

しかし、問題点②③が解決できていない状態でした。
また、新たな問題点として
④本案件の工場から飼料化施設までが遠距離
⑤既存の保管庫では長期間の保管は困難
そこで、管理会社として問題解決のご提案として

問題点②③④⑤の解決策として

初めに算出した排出量をもとに、保管容量を算出し新たに温度調整可能な保管庫を設置させることで収集頻度を週6回から週3回に変更する変更案で解決する事をご提案させて頂きました。

  1. ②収集頻度を頻繁にしようとすると収集運搬費も高くなってしまう。→収集頻度を下げる。
  2. ③産業廃棄物の大半が動植物性残渣であるが、保管庫が屋外であり不適正→保管庫設置
  3. ④本案件の工場から飼料化施設までが遠距離→保管容量を増やし収集頻度を下げる
  4. ⑤既存の保管庫では長期間の保管は困難→温度調整可能な保管庫設置で長期間保管可能
補足①
新たに保管庫を設置する事で、保管容量及び収集頻度を軽減させ収集運搬費の高騰を防ぐことが可能となりました。
また収集運搬業者については、飼料化処分施設のグループ会社で対応可能かを確認し、対応可能との事で調整を完了しました。
また、収集運搬効率を向上させ、収集運搬単価を削減させるために廃棄物専用容器をコンテナ内に設置をしました。
補足②
工場所有のフォークリフトを使用し収集運搬作業時間を短縮させる為です。
排出事業者と収集運搬業者・処分業者が双方にとってのメリットを生み出しました。

全ての問題点をクリアにし、コンプライアンスを遵守する事ができました。

このように管理会社を活用する事により、工場から排出される全ての廃棄物が、法的な問題を解決し、また、通常の処理工場へ搬入せずに、廃棄物管理会社のネットワークを活用した事でコスト面についても地域相場より安価で継続処理を出来るようになり健全な工場運営をしていただけるようになりました。

その他の活用事例

活用事例1

排出者の社内で人員不足や業務多忙といった問題が多い中で廃棄物に関する窓口を一本化にできるという点がまず1番に考えられる。従来の通り排出者と実務業者の2者だと、特に多店舗展開する排出者によく見られる傾向ではあるが、地域によって実務業者も違えば処理の仕方、金額、分類される品目さえ違うことがある。その為、排出者には臨機応変に対応する能力が求められるが委託先・支払先・報告をもらう相手もバラバラになり取りまとめている間に間違いが起こる可能性がある。もちろんこれは排出者責任という観点から排出者にはこれらを適正に進める義務はあるが現実問題、不適正となっているケースが多々見られる。しかしながら、これを廃棄物管理会社で一本化することにより確認と決定で進めることができるので特に人員不足で悩む排出者にとっては大幅な業務の効率化につながると言える。また、必要な情報等も廃棄物管理会社から収集することができるので排出者の社内の指導・教育にも繋がる。次に挙げられるのがコストの削減やリサイクルの推進で、これについてもやはり排出者の人員不足・業務多忙といった問題から新規店舗の開店時に取り決めた料金のまま長い間、金額の改定がされておらず、開店当初と廃棄物の種類が変わり、リサイクルできるものも処分していたというケースも多々ある。その為、現状の廃棄物の種類・量をしっかり把握しリサイクルできるものはリサイクルし、廃棄物は量に応じた適正な金額で適正に処理することでコストの削減に繋がる。
また、排出者のコンプライアンスの向上に社内の講習会などに廃棄物管理会社を講師として利用するのも有用な活用といえる。

活用事例2

排出事業者の困っていることがあればその問題を廃棄物管理会社に依頼する。
企業活動で一番重要なことは、利益を確保する事となるため、処理コストは担当者のみならず排出事業者全体で理解することが重要となる。
そのためには、各関係法令や各自治体に関する知識、地域ごとの相場や廃棄物の取り扱いに関する情報が必要となるが、廃棄物担当者は、他の業務を兼任していることが多く知識や情報の収集以外にも報告書や提出書類の作成など一担当者では、対応しきれない現状がある。
そこで廃棄物管理会社へアウトソーシングすることで廃棄物担当者が行うべき廃棄物やリサイクルに関する業務を補助し、廃棄物担当者の転籍などで失われる経験や情報を廃棄物管理会社がクラウド的に継続して提供し続けることができる。
また、詳細かつ継続的な廃棄物の排出品目とその量を把握することにより排出事業者の売り上げに対する廃棄物の割合などを知ることができ排出事業者自身の業務への活用に貢献することもできる。

活用事例3

排出事業者の中には社内での廃棄物に対する取り組みが十分にできているという認識ではあるが実際の内容を聞いてみると書面での契約が交わされていない・料金が開店当初のままで改定されていない・排出量の数量報告がされていないなどの問題が数多くある。こういった問題は排出者責任という観点から後々、不法投棄やマニフェストの虚偽記載等の問題に発展しないとも言い切れない。また、十分な取り組みが社内でできているという認識からコスト面で必要性を感じないなど悪循環になってしまっているケースがある。我々、廃棄物管理会社としては適正価格での適正処理を行った結果としてコスト削減に繋がったという順序であるべき姿と考えられることから、まずは第三者の観点で社内コンプライアンスの向上を目的に契約内容の確認・社内講習の実施等を行い、現状乱立しているコスト削減屋のような廃棄物管理会社ではないかどうかをしっかり判断した上で、活用することが望ましいと考えられる。結果的にコスト削減に繋がらなくとも社内コンプライアンスの向上・以降の新店舗の際の業務の効率化などに繋がることから上手く活用すれば大きなメリットになるものと考えられる。もちろん我々、廃棄物管理会社もそのメリットを排出事業者へ的確に提案できるよう日々、勉強・営業努力をしていくことが肝要である。

活用事例4

管理会社それぞれエリアによって実務業者との繋がりが少ないところもあるので、管理会社同士で横の繋がりを持ち情報交換や紹介などを活用することも方法の一つである。
管理会社から実務業者を紹介されるという事は既に紹介側で問題なく実務をしていることになるので紹介される管理会社側も安心して排出事業者へ提案が出来る事となる。