廃棄物管理業の事業領域
廃棄物管理業の事業領域として、ワンストップ循環モデルの考え方があります。
廃棄物管理会社は、計画の立案から実行、実証及び診断を行い、改善策の提示をして、継続的改善を図れるように遂行していく役割を担っています。
また、業務内容については、新規契約の場合と通常業務契約の場合の2つに大きく分かれます。
業務の流れ | 本書での解説事項 |
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営業・紹介による新規依頼 | 1 新規排出事業者への初期対応業務 |
調査と現地確認 | 2 新規排出事業者への事前アンケートとヒアリング 3 与信に関する業務 4 排出事業者の現地調査の進め方 5 実務業者の調査・選定に関する業務 |
ソリューション提案 | 6 見積書・提案書の作成業務 |
正式契約締結 | 7 排出事業者及び実務業者との委託管理契約に関する業務 |
通常業務 | 8 廃棄物数量の集計に関する業務 9 適正コストの維持管理に関する業務 10 リサイクルの促進に関する業務 11 廃棄物処理費用の代理受領・支払業務 12 主なオプション業務(ごみ指定袋発注業務等) 13 各種データの集計に関する業務 14 廃棄物処理におけるコンプライアンスの徹底 15 排出事業者、実務業者との情報交換、指導に関する業務 16 各種契約書作成業務 |
契約終了 | 17 解約時の精算業務 18 収集運搬業者の解約に関する業務 |
業務の種類 | 主な業務内容と本書での解説事項 |
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主な業務内容と本書での解説事項 | 19 新店舗に関する業務 20 閉鎖に関する業務 |
臨時発生業務 | 21 臨時廃棄物に関する業務 22 休業に関する業務 |
毎年、特定の時期に発生する業務 | 23 年末年始対応に関する業務 24 多量排出事業者等のためのデータ集計業務(年度末を基準とする) |
行政対応業務 | 25 廃棄物に関する行政情報の収集・提供業務(条例情報収集を中心に) 26 行政からの指示事項に関する対応業務 27 その他の行政対応業務 |
危機管理業務 | 28 苦情、クレーム対応業務 29 災害時等の緊急対応業務とBCP策定について |
契約・仕様変更に伴う業務 | 30 契約変更対応 31 仕様変更対応 |
その他業務 | 32 営業・マーケティングのための情報収集業務 33 研修及び各種コンサルティング業務 |
上述する廃棄物管理業務として33項目を理解はもちろんのこと、廃棄物管理会社に求められる能力として、廃棄物を適正に処理する為に、関係法令の最低限の知識はもちろんのこと、金額の安すぎる実務業者を使うことで起こり得るリスクに関する知識、またそれらを排出者、実務業者へ指導・助言を行う能力も必要です。また、地域によってルールが異なり、処理の方法・金額の決定の仕方等も異なる場合があるので広い分野・地域での人脈・情報収集能力の必要とされるケースも多く、災害時や火災等、緊急を要する事態にもスムーズに対応できる能力なども時には必要となります。しかしながら、人脈に頼りすぎて排出者贔屓、実務業者贔屓にならないよう第三者として物事を冷静に判断・意見することを忘れてはなりません。
また、廃棄物に関する法的な知識が必要となりますがが、一般廃棄物に関しては、各自治体がその処理責任を伴うので廃棄物に対する取り扱いに違いがあるため経験に伴う知識が必要となります。
その内容として、廃棄物の受け入れ品目の違いや処理料金の違い、また、自治体ごとの許可業者にも事業規模の差異やサービスの違いが大きく有るため、優良な許可業者とのつながりが必要となります。
廃棄物を適正に処理する上で、何より情報・行動の早さが第一に考え、廃棄物管理会社は排出事業者に対して速やかな情報収集と報告・改善の提案を行い、その上で分別の指導・適正な処理・金額を提案することで解決していくことが必要です。